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二胡の選び方

二胡の選び方について。 二胡ってどういう物が良いの?という疑問を解決すべく、簡単に良い二胡について書いてみようと思います。これであなたも二胡目利き!


二胡の作り

二胡は蛇革の張ってある胴体、棹、調弦軸2本の、あわせて4つの部品で出来ています。

・胴体

胴体は板を張り合わせて筒にし、ニシキヘビの革を張って太鼓にしています。

一般的なのは胴が六角形の昔ながらの蘇州二胡。皮が薄くて大きい音が出る八角形の北京二胡、台座が四角い六角のも北京二胡。他にも楕円や遍八角形、おにぎり型など、いろいろな形があります。

・調弦軸

調弦軸には、シンプルな木軸、縦巻きのギア式軸、ネジで引っ張るネジ式軸の3種類があります。

木軸の二胡は昔ながらの形、今でも一番多く流通しています。刺しているだけの単純な作りなので、抜けないように親指で押し込みながら巻く必要があります。木軸そのままだと音程の微調整が効かないですが、微調整用の糸や金具を付けて使う事で解決します。

ギア軸は金属の調弦軸で、中にギアを組み合わせた仕掛けを使うことで微調整が可能になっています。弦が外れる事もなく、大きなトラブルは少ないですが、大きくて邪魔、重い、ギアを通してる分、微調整にクセがある、巻きが遅いから弦の交換が疲れる、など小さな欠点が多いです。

ネジ軸は、調弦軸の中にネジが入っていて、そこに弦を結わえます。軸を回すことで弦の張力を調整するようになっています。見た目スマート、微調整もしやすく、弦の張替も楽ですが、下手に取り替えると次に張り替えるときにペンチが必要になったり、軸に重みがかかると中のネジが曲がって修理が必要になったり、弓に傷が付いたりと、大きな欠点があります。

・棹

龍の彫り物がついていたりするものもありますが、それで二胡の値段が大きく変わることは無いです。

作者により微妙に太さも長さも違います。

頭の飾りはぶつけたりすると取れてしまいますが、よくとれるし簡単にくっつくので慌てず楽器屋さんにもっていきましょう。

二胡太田


二胡選びのポイント

二胡を選ぶにあたり、もちろん音色が一番ですが、二胡の販売店は部屋が良く響くようにしているので、これは!と思って買って帰るとイマイチだったりします。
店員さんにひきくらべてもらって音色をきくだけじゃなく、いろいろ説明をききつつ、セカンド二胡購入なら前の二胡も持って行って比べるのが良いです。

あとは以下のことを前知識として覚えておけば大丈夫!

  1. 木材
  2. ニシキヘビの革
  3. 作りの良し悪し

・木材
二胡の木材は、紫檀黒檀、老紅木等があります。一般に紫檀が華のある音、老紅木が哀愁のある音と言われます。
インド小葉紫檀が一番高級木材ですが希少価値で値段も上がっています。偽物が多いです。明や清の時代の老紅木も高級です。
紫檀でも安いものは安いので、特価!紫檀が安い!などに釣られないように!

・ニシキ蛇の革
この革がワシントン条約にひっかかるのです。うろこが大きいほど育った大蛇ですが、あまり大きいと革が厚すぎてあまり鳴らなくなってしまいます。太鼓表面を並びで数えて11個~13個が良いとされています。厚みを削って調整してある場合もあるので必ずこのような皮を、とは言えません。
太鼓のように叩いてみて、ぽんっと綺麗に鳴るかチェックします。北京二胡は薄く削って鳴るようにしているので要注意です。
太陽にかざして裏から見て深い黄色に見える革は油の乗った良い革だそうです。
うろこがめくれないように処理してあると安心です。けば立っていても問題は無いですが、弓の毛がひっかかってめくれたり、毛が切れたり。

・作りの良し悪し
二胡は職人が手作業で一つ一つ作っています。一見綺麗で良い楽器に見えても、よくチェックして選びましょう。小さなヒビ、擦り傷などは特に気にしなくて大丈夫ですが、胴の貼り合わせがあまい、歪み、穴埋めなど要注意。胴の内側も携帯のライトなどあててチェックすると良いです。棹と胴の穴に隙間が無いかどうかもチェックです。
棹がねじれていたり曲がっていたり(弦の張力で少したわむのは普通)調弦軸が変な方向むいていたり、楽器底面の弦を止めるネジや溝が大きくずれてたりチェックです。

一般的に、音量が大きい程音色が悪くなり、音色が良いほど音量が小さくなる傾向があり、
両方を兼ね備えた楽器になるほど値段が高くなります。
例えば、あまり大きな音でひくと近所迷惑、というなら、音色は思いっきり良い物を探しても、音が小さければ少し値段も安くなります。
自分の需要に合った二胡を手に入れましょう。


弓は、硬すぎずやわらかすぎず。軽すぎず重すぎず、空中に自分の名前をすらすらと書いてみるなど、扱い安い、握りの馴染む物がよいです。


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